社員としての心構え
■感謝~感謝の心を忘れない~
人から善意をいただいた時に、感謝をすることはたやすいでしょう。しかし、本当の意味の感謝とは苦難の中にいても常に感じられるものです。人との出会いや仕事での経験など、私たちの日常は感謝するべきことであふれています。そこに意識をフォーカスすることが、感謝の心を忘れないということです。
自分の心の中に感謝を見つけたら、思うだけではなく行動で伝えていきましょう。まず最も簡単な方法は、あいさつに感謝を込めることです。明るく笑顔で元気よく、基本のあいさつでかまいません。一緒に働く仲間や、来社されたお客様に向けて、気持ちの良いあいさつをしましょう。
また一歩外へ出れば、あなたはウィルオブ・ワークの代表者です。あいさつは時に、ビジネスを左右するほどの力があることを心に留めなければいけません。気持ちの良いあいさつを通じてポジティブな関係を築き、チャンスをつかんでいきましょう。
次に、礼儀を重んじることも有効な方法です。礼儀とは敬意の表し方のことですが、態度で例えるのであれば、深々と頭を下げる姿勢や、お礼の手紙・メールなどを指します。礼儀というのは特別な意識の中にあるものではなく、普段から感謝の心を大切にすることで、自然と行動にでるものです。
お世話になった際や、ご馳走いただいた際に礼を尽くすことはもちろん、普段から周りの人すべてが自分よりも偉いと思うくらい、謙虚な気持ちを心がけることが、自然な礼儀を身に付けるための近道となるでしょう。
感謝をすることは、あくまで自然習慣です。だからこそ、大事な時だけ即席で表現できるものではありません。「あいさつ」や「礼儀」は社会人の基本でもあるため、息をするように意識せずしている人も多いはずです。これからは大切な仕事のひとつとして、感謝を込めることを習慣にしていきましょう。
□具体的なシーン
- ・一緒に働く仲間に、感謝の気持ちを込めて挨拶をする
- ・何か与えてもらったら礼儀をもってお礼を伝える
■誠実~不正や嘘を許さない~
誠実とは真心をもって人や物事に接することであり、さらには言動において偽りや不正がない人のことも指しています。「傷つけてはいけない」「ずるをしてはいけない」「嘘をついてはいけない」など、何が正しく、何が正しくないかの判断基準となる道徳観は、誰もが幼い頃から学んできた考えであり、年齢を重ねても大切にしなければならないものです。
ハラスメント防止の一環として社内での会話にも配慮が求められる昨今、私たちの組織においても時代のニーズに応じたコンプライアンスを強く推進しています。当然のことながら基本方針や制度を充実させただけでは不正や嘘を未然に防ぐことにはならないでしょう。大切なことは社員1人ひとりが「ルール違反(法律違反)を見過ごさない」「不正をしない・させない」という意識を持つことです。
組織においての不正は、なぜ生まれるのでしょうか。不正というのは、ずるをして得をしたい人ばかりが行なうものではありません。時に責任感を持って仕事をする人にも起こりうるからこそ、誰もが気を抜いてはいけないのです。例えば、業績プレッシャーによる嘘の報告が、それにあたります。始めは「後で取り戻せばいい」という悪意がない思いでも、結果としてみるみる数字が取り戻せなくなり、周囲が気づいた頃には大問題に発展しているという事例は、世間において少なくありません。
また、不正をすることはもちろんですが、「信頼しているからチェックをしない」というのもあってはならないことです。ダブルチェックも、監督者としての最終チェックも、れっきとしたルールです。こうしたルールをきちんと守ることが、不正をさせない体制づくりに繋がっていきます。一時的な損得ではなく、正しいかそうでないかを判断し、誠実な行動をとるよう心掛けてください。
□具体的なシーン
- ・社内での会話もハラスメントになるような発言を常に意識して控える
- ・どれだけ業績プレッシャーがあっても不正をしない、させない
■約束~約束を守る~
仕事も人間関係も、約束の積み重ねです。日々「何日までにこの仕事ができますか?」「はい」といったやり取りの繰り返しの中、納期や期限などの約束を守ることで信用が生まれ、人間関係が構築されていきます。
言うまでもありませんが、約束に大きい小さいはありません。口に出した以上、守ることが原則です。しかし、約束によって責任の範囲が異なることから緊張感が薄れてしまうことがあります。例えば、「今度、飲みにいきましょう」「本日中に返答します」と会話のしめ言葉として軽く声をかけ、それを忘れてしまった経験はないでしょうか。仮に、互いにとって重要な内容でなくとも、守れない約束をするということは、結果として嘘をつくことになります。約束をしたら必ず守るか、守れない約束は最初からしないように心掛けましょう。
また、約束を守れる人間か否かを判断する基準として、時間(期日)を守る姿勢を見られることがあります。あなたが誰であれ、時間は平等に与えられるものです。だからこそ、時間の価値は人それぞれにあります。自分にとって”たかが5分”であっても、他の人にとっては”貴重な5分”である場合があるのです。やむおえない事情で時間を守れない場合にも、報告・相談を徹底し、約束相手の時間を無駄にしないよう最大限の配慮をしなければなりません。
約束や時間を守れないということは、相手を軽視していると言っているようなものです。「この人なら大丈夫」「後で謝ればいい」という思いから、相手の都合より自分の都合が大切だと、行動で表現してしまっているのです。自分を信用してくれる人間なくして、仕事での発展はありません。目の前の約束が、その先の多くの信用に繋がっていることを見通して、約束の重みを常に意識しましょう。
□具体的なシーン
- ・社内/社外関わらず納期や期限を守る(できない約束を軽々しくしない)
- ・相手の時間を無駄にしないよう、進捗報告や、守れないときの事前報告/相談を徹底する